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とある魔術の禁書目録 二次創作 21

 「とりあえず二手に分かれましょう、とミサカは提案します」

 物陰からヨハンを窺いながらミサカは口を開いた。

 「分かれる?お前は大丈夫なのかよ?」

 「傷は軽い方です。それに二人揃って移動すれば大きな的も同然ですから、とミサカは説明します」

 ヨハンは透明な壁の向こうから微笑みを浮かべながら上条達がいるオフィスへと入ってきた。レベル5というのはどいつもこいつも余裕の顔をしてくれる。

 「おそらく、彼はあなたに対してまともに力を使って攻撃するつもりはないでしょう。人質でもあり、研究材料であるあなたを出来る限り無傷で確保したがるはずです、とミサカは推測します」

 そう言ってミサカは上条に向き直り、言葉を続けた。

 「ですから、申し訳御座いませんがあなたは近距離で接敵して頂けますか?ミサカは中、長距離から応戦しますので、とミサカは要請します」

 無表情だが、確かになんだか申し訳なさそうだ。言葉で説明するのは難しいが。
 上条は一度頷くと、ミサカに笑いかけた。

 「おう。それじゃ、行くぞミサカ!」

 上条とミサカは同時に机の影から左右に飛び出した。上条は真っ直ぐヨハンに向かって飛び出し、ミサカは銃を構えて距離を取りながらヨハンとは綺麗に並んだ机を挟み、左側へと回り込んでいった。
 それぞれのオフィスは大小様々、他の複数のオフィスと扉で繋がっているものもあれば通路で隔てたものもある。今上条達がいるオフィスはかなり広いもので、学校の教室3つ分はあるだろう。
 等間隔に並べられた机の向こうから、上条がヨハンにぶつかる前にミサカの銃口が火を噴くが、ヨハンはミサカが引き金を引く寸前に机よりも身体を低くし、銃弾をやり過ごした。ミサカが放った銃弾は机の上にある数々の書類を吹き飛ばし、机には穴を開け、パソコンは火花を上げる。
 ヨハンもただ回避するだけではなかった。机の下でしゃがんだ状態で右手を机越しに狙いを定め、光線を撃ち放ったのだ。
 視界の端で攻撃を予測していたミサカがいくつもの机を貫いて襲いかかる光線から直前で身を引くのを捉えながら、上条はヨハンへと続く机に挟まれた通路を走り抜け、途中でイスの背を掴むと立ち上がったヨハン目がけて放り投げた。

 「おぉっと」

 ヨハンは大きくのけ反り、イスを回避すると上条に向き直りファイティングポーズをとった。肉弾戦で臨むというわけだ。上条を光線で貫くつもりは確かにないらしい。しかしこのヨハンは「本物」か?

 「本物です!とミサカは暴露します!」

 上条の疑念を察してくれたらしいミサカが教えてくれた。
 ヨハンの至近距離まで辿り着くと上条は拳を握り、迷うことなく殴りかかった。レベル5相手に躊躇しては間違いなく先手を取られる。
 だが、今回の能力者はどうも今までと勝手が違ったようだ。ヨハンはまるでプロボクサーのような動きで上条の右拳をかわすと、上条の胸にその右拳を叩きこんだ。デジャヴを感じずにはいられない。

 「っは・・・!」

 肺の中にあったはずの空気は一気に吐き出され、一瞬の間、思考さえも停止し、上条の身体はもと来た道へと戻された。
 今までのたいていの能力者と言えば、自分の能力を封じられると途端に僅かでも腰が引けていた。能力を突破されれば驚愕で身体が固まったり、有効な攻撃手段を見出そうとする故に動作が遅れがちになったりしていたものだ。
 しかし今回は違った。能力を使えないことを理解しながら、上条に対してまるで予定調和だと言うかのように、流れるように反撃してきたのだ。その反撃もおよそ素人とは思えない動きで。

 「下がって下さい!」

 声が聞こえた方へ目を向けるとミサカは机の上から銃を構えて飛び上がっていた。上条はそんなミサカの猛々しい様を見てギョッとしそうになったが、素早く身を引いた。仲間が放った跳弾の犠牲になるのはあまりカッコいいとは言えない。
 しかし、上条の不安は不要だったらしい。ヨハンがミサカが銃の引き金を引く前に光線を放ち、その銃を貫いたからだ。
 引き金を引いても中で鉄が不快な音を立てるだけで、熱を帯びる穴が開いた銃から弾丸は放たれることはなく、ミサカはヨハンと上条の間の空間に着地しながらその銃を放り出した。するとミサカは両手をヨハンに向けて突き出し、その身にDNAから受け継いだ電撃を放った。
 オリジナルの超電磁砲(レールガン)に比べればその力は遥かに劣る欠陥電気(レディオノイズ)だが、それでも5万ボルトだ。普通の人間なら十分にダメージを与え得る。

 普通の人間なら。

 ヨハンが左手をミサカに向けると、指先から漆黒の壁が現れ、ミサカの電撃を「遮った」。

 「!?」

 驚いたミサカの動きがわずかに止まったのをヨハンは見逃さず、およそ3mの距離を一瞬で詰めた。
 とっさのことで判断が出来なかったのだろう。つい先程電撃が一度防がれたことを直に見ていながら、身構えたミサカはまたもや電撃で迎え撃とうとしたのだ。
 ヨハンは左手をミサカの鼻先に向けるとまたもや漆黒が現れた。しかしそれは先程の壁のような形ではなく、瞬く間にミサカの全身を包み込んだ。ミサカの身体からほとばしっていた電光が姿を消した直後、ヨハンのあまりに鋭すぎる蹴りが漆黒に覆われたミサカを直撃した。

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お待たせしましたSS更新で御座います。
何かと忙しいもんでもうSSの更新しか出来てませんね。
まぁこれあんまり引き延ばすとせっかくの少ない読者も飽きますからね。
なんとか定期的に更新せねばと思っております。
戦闘シーンはやはり地の文が難解ですねぇ。
皆さん理解出来てるでしょうか?
命がけの場面なのに長々としゃべらせるのも不自然ですからセリフを増やして誤魔化すのもアレですからね。
情景を分かりやすく書きたいもんですが、処女作じゃこんなもんですかね。
さて、ミサカさんの電撃を防いだ漆黒の壁の正体とは?
一応これも私のにわか知識で考えた「科学的な」現象です。
説明はまだまだ先のお話。
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