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とある魔術の禁書目録 二次創作 9

 土御門は地下研究施設の外周をグルリと巡る通路を歩いていた。
 このアーネンエルベ超人進化研究所は学園都市の第二十二学区の構造を元に建造されたものだ。

 第二次世界大戦、当時のドイツは世界に誇る最高の科学力を持つ国の一つだった。
 しかし戦争には敗北。イギリス、ソ連、フランス、アメリカはこぞってドイツの科学技術、特許を奪い合ったという。「ペーパークリップ計画」という極秘プロジェクトではV2ロケット弾の製造に関わった数百人の科学者が秘密裏にアメリカへと移送されたという。
 イギリスは暗号名で「T・フォース」と呼ばれるものを立ち上げた。ドイツの科学技術を略奪と盗難から守る、という目的でだが、略奪と盗難こそが本命に他ならない。ちなみにT・フォースを創設した者の名はイアン・フレミング。ジェームズ・ボンドの生みの親である。
 ドイツも無抵抗ではなかった。連合国に技術を奪われぬ為に、研究所を破壊し、資料は埋められ、そして科学者は殺された。
 この超能力研究機関も例外ではない。アーネンエルベ超人進化研究所は元々地上部にあったが、大戦末期には取り壊され、その名に「進化」と刻まれていた研究所は皮肉にも元の森の姿へと戻った。
 しかし研究が廃止されたわけではない。新たに「エーベルスヴァルデ素粒子物理学研究所」という名で地上に再び研究所が建てられ、時には水道、電気設備工事、またある時は大型ハドロン粒子加速器の建造という名目で地下に巨大な研究施設「アーネンエルベ超人進化研究所」が造り上げられていったのだ。
 当然、第二十二学区のようなアミューズメント施設は無いし、温泉も無い。夜空を投影する特殊な天井もありはしないが、大まかな構造、骨組みは第二十二学区に準じたものだ。
 侵入するのは思った通り、難しくなかった。
 自身がスパイとして活動し研究所のセキュリティを破る方法を徹底的に調べ上げ、研究員のデータベースをごまかしたのもあるが、やはり学園都市の技術によるところは大きい。
 ほとんど二、三十年分に至る技術の開きはドイツの最先端の防壁でさえ、いとも容易く突破した。

 (作戦開始時刻まであと20分ほどか、さっさと上やん見つけないとにゃー)

 第二十二学区とは違ってこの研究所には上から下まで一直線に貫いたエレベーターが通っている。それを使わずとも外周を巡る通路よりも遥かに距離的に短い、各階層を繋ぐ階段があるが、それらは本物の研究員達が頻繁に使っている。
 IDを偽造しているからといってまったく不安が無いわけではない。出来るだけ顔を見られないようにするためにはほとんど誰も使わない、無駄に距離が長い外周通路を使った方が安全だ。
 この通路は大型の機材や大量の物資を運ぶために使われているが、外周通路がバネの働きをして施設の強度を高めているという噂を建築技術者たちが真に受けた結果造られたものでもあった。学園都市への羨望の眼差しが持つ盲目さはいつの時代も同じらしい。
 果てしなく長い通路を歩き続け、やっと土御門は上条が監禁されている階層を隔てる扉に辿り着いた。
 最低限の照明しかない暗い通路と違って、扉の向こう側は眩しいほど白かった。円周に沿ったゆるい曲線を描く通路は右も左も扉が取り付けられている。中心から、現在土御門がいる最外周まで、何層もこの光景が繰り返されているだろう。

 第九階層 検体収容房。

 上条当麻はここに監禁されている。

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本日分SSしゅーりょー。
物語の舞台について、稚拙な文章ですけどご理解頂けたろうか?
しかし執筆が全然進んでねぇ。
これはいよいよヤバくなってきたかもなぁ。
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